[統計学]31. 歪度、尖度、モーメントって?計算方法と意味を覚えよう

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前回の記事→30. ベイズの定理とモンティ・ホール問題

ちょっとだけ序論

分布の期待値、バラツキなどを計算で求めることで分布の形がわかってきました。実はこれ以外にも計算することでわかることがあります。それが歪度(わいど)、尖度(せんど)です。これらを一般化したものをモーメントと言います。さらに全てのモーメントを一つの関数で表したものをモーメント母関数と言います。モーメント母関数がわかれば確率分布の形(関数)がわかりますし、逆に確率分布の関数がわかればモーメント母関数がわかります。

これをどう用いるかというと、確率分布の関数は求めることができたり、経験的に近似ができたりするのでわかります。そこから期待値や分散を求めようと思った時に、毎回毎回積分や総和を考えるのはしんどいので、モーメント母関数を計算すると簡単に期待値や分散を求めることができます。

本題

さて、ちょっとした序論で大局的な見方を書きました。このモーメントなどの話は内容的には結構ハードですが、できるだけサポートしていけたらいいかなと思います。

まず最初に、期待値や分散を求めることで、分布の形などがわかってきました。しかしわかるのは分布の重心(期待値は定義から重心の求め方と同じです)とバラツキだけでしたね。しかし、分布の形は左右対称なのか、尖っているのか、つりがね型なのかピラミッド型なのかなど、そういった分布の形について詳しいところを求めるために、新しい尺度である歪度と尖度を導入しましょう。この二つを計算しても分布の形を完璧に再現できるわけではありませんが、前よりも詳しい情報まで数値化できるはずです。

歪度(わいど)と尖度(せんど)

まず歪度の計算式を下に示します。

 

なにやら分散の進化系のような形をしています。しかし3乗ですからマイナスの値を取りますね。歪度の意味は分布が左右対称なのかどうか調べることができます。調べ方は

α3 <0  →左に裾が長い

α3 =0  →左右対称

α3 <0  →右に裾が長い

というようになります。結構便利な指標になりうると思います。

続いて尖度を求めていきます。

尖度の計算式を下に示します。

こちらも分散とよく似た形をしていますね。これの意味は分布がどれほど尖ってるかということがわかります。正規分布の尖度が3なので3より大きいかどうかで判定します。

α4-3<0 → 正規分布より丸い形

α4-3=0 → 正規分布と同じとがり具合

α4-3>0 → 正規分布より尖ってる形

というように判定できます。

歪度は3乗、尖度は4乗となっていますので、このまま5乗、6乗、、、とずっと調べていくと分布の形が完全に分かってくることが予想されます。

これらを一般化したものをモーメントと言います。

一般に

これをXの原点周りのr次モーメントと言いまして、

これをXの期待値周りのr次モーメントと言います。

Xの原点周りの1次モーメントが期待値であり、Xの期待値周りの2次モーメントが分散になることを確認しておきましょう。

これらは歪度や尖度のように分散で割られていないので、分散で割ると

これをXのr次の標準化モーメントと言います。

標準化モーメントにr=3を入れると歪度、r=4を入れると尖度になることが確認されます。

このモーメントが重要というよりモーメントを生み出すモーメント母関数が重要な概念になってきます。

次回はモーメント母関数という結構難しい内容に入っていきます。これはマクローリン展開や自然対数eなど使ったりしますが、数3の内容である、指数関数の微分法を復習しておけばなんとかなります。マクローリン展開は証明を理解しようとはせずに、展開の仕方や使い方を覚えていった方が役に立つと思います。

次の記事→32.モーメント母関数とは?これがわかると上級者!

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