[複素関数]5. 複素関数と極限

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複素関数のテーマですから、複素関数の微分や積分ができれば、複素関数がどのような動きをするのか解析できます。
しかし、微分をするには極限の値を複素数の世界で求めて行かないと微分できません。
実数では、値は1次元直線上の1点で表現できますから、極限を考えようと思えば、右から近づけるか、左から近づけるかの2通りしかありません。だからこの2通りに対して極限を考え、値が一致すればそれを極限値というわけです。

しかし複素数は2次元平面上の1点で表現できますから。その近づけ方には無限通りの方法があります。一度複素平面をイメージしてください。
zをある値、例えば1+iに近づけようと思ったとき、
右からでも左からでも上からでも下からでも斜めからでも近づけることができます。この無限通りに対して値が一致するかどうかを調べないと極限値かどうかわかりません!

ちょっとややこしいですね。
しかし、複素関数とは、
実関数uとvの2変数関数であり、実部と虚部に分けることができるものであります。つまり複素関数の極限を考えるときも実部と虚部を分けて考えて構いません。それではまず、微分可能と仮定し、その複素関数f(z)を微分した式はどのようになるのか計算しましょう。

複素関数f(z)=u(x,y)+iv(x,y)とおきます。

これがある点z0=x0+iy0で微分可能であれば、f'(z)は存在し、

というように計算できます。ここで極限値の近づけ方は無限通りあるのですが、とりあえず計算が簡単そうな下の二通りを考えていきましょう。

  • yをy0で固定し、xをx0に近づける。
  • xをx0で固定し、yをy0に近づける。

まずyを固定したとき、つまりy=y0を先ほどの式に代入すれば良いので、

となります。これをよく見ると、

2変数関数uとvをxで偏微分したときと同じ式です!

なので

と簡単な式になりました。(偏微分を知らなくても、yが定数と思い込んでみてください。xで微分した式と同じになっているはずです)

それでは次にxを固定してみましょう。

 

となりますね。これは先ほどとは異なる式ですよね。

しかし、微分可能であれば極限値は一致するはずなので

\(u_{ x }(x_{ 0 },y_{ 0 })+iv_{ x }(x_{ 0 },y_{ 0 })=v_{ y }(x_{ 0 },y_{ 0 })-iu_{ y }(x_{ 0 },y_{ 0 })\)

つまり

が成立します。これをコーシー・リーマンの関係式と言います。

以上のことをまとめると、

微分可能ならばコーシー・リーマンが成立

ということです。今回はまだもやっと残っていることがあります。

それはどういう時に微分可能であるか示されてない点です。

次の記事でコーシー・リーマンが成立すれば微分可能であることを証明していきます。

次回は6.コーシー・リーマンと微分可能性

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