[線形代数]4.単位行列と転置とは?超基本内容のおさらい

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行列の中の簡単な二つの概念単位行列と転置について解説します。

前回行列の積について勉強しました。いきなりですが、以下の計算をやってみてください。

daum_equation_1466408626280

これを計算すると下のようになりますね。

daum_equation_1466408640326

あれ?かけ算しても結果が変わりませんね。

AB=BAは基本的に成立しませんから、順番を変えて計算をしてみましょう

daum_equation_1466408633497

この結果は

daum_equation_1466408640326

同じですね。

実数の世界で「1」というのは、1になにをかけても結果は変わりませんでした。

行列の世界で「1」に対応する行列がこの

daum_equation_1466408451937

なんですね。これを単位行列と言います。文字ではよくEと表すことが多いです。

そしてこの単位行列は2×2だけではなくて、一般にn×n行列で定義されています。

左上から右下にかけての成分(これを対角成分と言います)だけが1で

他は0という形になってます。式で見るとこんな感じです。

daum_equation_1466408998872

そしてn×n行列A、n×n単位行列Eに対して次の式が成り立ちます。

AE = EA  = A

あるスカラーaに対して、

a×1 = 1×a = a

ですから、Eは行列の世界の「1」と考えて問題ありません。

単位行列というのはこれから何回も出てくるのでEという文字を見たら単位行列なんだと認識してください。

次は転置について解説します。

転置というのは行列またはベクトルの右肩にTという文字を乗せて表します。

本によって、行列の左肩にかかってる場合もありますし、小文字のtを使ってる場合もあります。

転置は行と列をひっくり返す操作のことです。

二つの例を見てましょう。

daum_equation_1466410288771

daum_equation_1466410328560

下のような対角線に棒を刺してひっくり返すイメージがいいかと思います。

Untitled

一般的な数式を見てもごちゃごちゃしててわかりにくいので、ここでは割愛しますが、このイメージを持っておけばどんな行列でも転置できます。

ちなみに、単位行列は転置しても単位行列です。

このように転置しても変わらない行列を対称行列といいます。数式にすると

daum_equation_1466675718035

これを満たす行列を対称行列と言います。

次に、転置をすると符合が変わる、つまり

daum_equation_1466675607277

となる行列を、交代行列あるいは歪対称行列(わいたいしょうぎょうれつ)と言います。

対称行列や交代行列はやや難しい分野(エルミート行列)では頻繁に見かけます

そして実際にこの転置はどういうときに使うかというと、

列ベクトルを表すときに、

daum_equation_1466411222228

ではなく

daum_equation_1466411173708

と書くことが多いんですね。

これなぜかというと、、、

紙面の節約です。

列ベクトルってよく使うのですが、縦に長いのでいちいち書こうと思ったらすごい行数を取るんですよ。

なので転置を利用してを本のページ数を短くしようということです。

他にも、列ベクトルaの内積は転置を用いて

daum_equation_1466675866685

と書くと綺麗ですね。

以上、単位行列と転置について述べました。

今回やった内容は簡単ですが、一応演習を用意しました。

次は行列の中でも超重要な逆行列を扱います。

演習

  1. 3×3単位行列を書いてください
  2. 次の行列を転置してください。

daum_equation_1466174864295

解答

1.

daum_equation_1466411651280

2.

daum_equation_1466411713289

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