8. 正則関数と調和関数

複素関数の微分について学んできましたので、今回は微分に関する用語を確認していきます。難しい割に大したことはいってないので、面倒な方は読み飛ばしてもらってもいいと思います。

正則関数

ある関数が微分可能といっても、微分係数がすべての点で微分可能というわけではありません。この点では微分不可能とか、この範囲だけで微分可能といった関数が多くあります。範囲と書きましたが、複素平面なので領域といったほうが適切かもしれません。それでは正則関数とはなんなのかについて説明していきます。

関数f(z)がある領域Dで定義されていたとします。この領域Dのすべての点で微分可能であるとき、f(z)はDで正則、と言います。このときのf(z)を正則関数と言います。正則関数というわざわざむずそうな用語を使いましたが、何も難しくありません。

ただの定義された領域のすべてで微分できる関数のことです。

ちなみに複素平面のすべてで微分可能な関数のことを整関数といます。覚えなくていいと思います。さて、このことを踏まえて調和関数の説明をしていきます。

調和関数

まず関数f(z)=u(x,y)+iv(x,y)が領域Dで正則であったとしましょう。そうすると証明を省略しますが、次のことが成立します。

f(z)が領域Dで正則であるとき、f'(z)も正則である。

ということが成立するのですね。これは実関数の微分で習った用語でいうと、C^2級というやつですね。これで何が言いたいかというと、偏微分の順番を変えても大丈夫なようになります。それではコーシー・リーマンの関係式をさらに微分していきましょう。偏微分の記号は正しくは∂(デル)ですがdとしています。

同様に

よってuとvは

が成立します。この式の形をラプラスの微分方程式と言います。

平面上の領域Dにおいてラプラスの微分方程式を満たす実数値関数をDで調和な関数と言います。あくまで実数値関数の話ですからf(z)ではなくuとvに焦点を当てています。

それでは先ほどの流れから次のことが言えます。

領域Dで正則な関数の実部、虚部はともにDで調和な関数である。

uとvが領域Dで調和で、さらにコーシー・リーマンの関係式を満たすとき、vをuの共役調和関数と言います。

今回は全体的に用語の確認をしましたが、省略したところも多かったのでややこしくなってしまいましたが、結構高度な数学になってくると使いますが、基本的なところではあまり利用しないので、なんとなくで大丈夫だと思います。