6. コーシー・リーマンと微分可能性

前回は微分可能ならばコーシー・リーマンが成立することを示しました。しかし、微分しようと思っても、どういう時に微分可能なのかわからないとできませんよね。結論を先に言うと

実はコーシー・リーマンが成立するならば微分可能なのです!

つまり、コーシー・リーマンの成立と微分可能は必要十分です。

今回はこれを証明するのですが、結構ややこしいです。理解できなくても、この結論だけ覚えとけば十分だと思います。証明の最初で平均値の定理を使います。今回の証明は厳密な証明よりちょっと話を簡単にした証明になります。厳密なものもそれはそれで数学の香りがして悪くはないのですが、理解しやすいのが一番だと思うのでちょっと簡単にしました。

証明の肝となるのはzをz0に近づけるときに、無限通りの近づけ方があるので、勝手に近づけ方を仮定したりせずに、一般性を持ったまま近づけることが大事になります。それでは証明していきましょう。

まず平均値の定理より、

 

を満たすc1,c2 (0<  c1,c2  <1) が存在する。最後にどうせzをz0に近づけるのだから先に極限を考えてみましょう。と言っても、(x-x0)の部分が0になってしまうので、uの中身だけ極限を考えてみましょう。すると、

同様にvでもやって見ると、

となりました。この式をi倍して先ほどの式に足すと、長くなりますが、

 

ここで左辺はf(z)-f(z0)で、右辺にコーシー・リーマンの関係式を使うと、

よって、

 

が証明できました。先に極限値を考えたところが厳密ではありませんが、細かい部分を数式に落とせば厳密な証明もできるようになるでしょう。数学科でない限り、この証明を自分でできる必要はないと思います。それよりも大事なことは複素関数はコーシーリーマンが成立すれば、微分できるということです。

次回はこの知識を定着させるため、演習をしていきます。