3. 理想気体の状態方程式

気体の温度・圧力・体積は相互に影響しあって一定の関係で変化します。一定温度の元で圧力は体積に反比例し(ボイルの法則)、一定圧力の元では温度と体積は比例します(シャルルの法則)。

上記2つの法則を組み合わせたものが、理想気体の状態方程式です。

PV=nRT

(P;気体の圧力[Pa]、V:体積[m3]、n:物質量[mol]、R:気体定数=8.31[J/(mol・K)]、T:温度[K])

この関係式は理想気体のと銘打っているように、実際の気体と厳密には一致しません。実際の気体には気体分子同士のファンデルワールス力と気体分子自身の体積が影響してくるからです。

とはいえその誤差はごくわずかであり、常温常圧において問題となることはほとんどありません。一般的に実測値が状態方程式に上手く乗る系は理想気体とみなして取り扱います。

(低温および高圧条件ではファンデルワールス力などの影響がかなり大きくなり、理想気体の状態方程式とは合わなくなります。その場合は分子の大きさなどを考慮したファンデルワールスの状態方程式を使います。必要な場合は参考書で確認してください)

温度の定義

状態方程式を使うことで、ある2つの状態量がわかれば他の状態量を求めることができます。

一例として圧力一定の状態でVとTを測定しその関係をプロットするとT=(P/R)Vの比例直線に合致します。

そこでV=0、つまり分子運動が停止し体積が限りなく小さくなる点まで直線を補外すると気体の種類によらず−273℃を示し、これが絶対零度にあたります。

今日では水の3重点(固体・液体・気体が共存する状態)の温度を273.16、絶対零度を0として絶対温度K(ケルビン)を定義しています。一方セルシウス温度の定義は[絶対温度−273.15]なので、実は水の凝固点はセ氏0℃から微妙にずれています。

 

工学系の記事はどうしても硬い単語が並びがちなので、2,3の用語を説明するだけで読み手の方が疲れてしまうんじゃないか心配になります・・・。

早く熱力学の3法則など主要なテーマに進みたいところですが、基礎的な用語や定義を押さえておかないと後々で躓いてしまいがちです。こんなことすでに知ってるよという人も理解の確認という意味で目を通していただけたらありがたいです。

次は気体の内部エネルギーと仕事について確認し、その後熱力学の第1法則に入りたいと思います。

次回は4. 気体のする仕事