5. ベイズの定理とモンティ・ホール問題

前回はモンティ・ホール問題を直感的に解説しました。まだ読んでない方はこちら

モンティ・ホール問題の内容をもう一度確認します。

「プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあって、1つのドアの後ろには当たりの景品が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。

プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。

ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?」(wikipediaより引用、一部改変)

という問題で簡単な図にするとこんな感じですね。

さて、ドアAとドアCの当たりの確率はいくらなのかベイズの定理を使って計算していきたいと思います。

まず方針ですが、Aが当たりである確率を計算します。AとCの合計が1になるので、Aの確率がわかれば、Cが当たりの確率がわかります。

ベイズの定理から、

P(Bを開く)P(Aが当たり|Bを開く) = P(Aが当たり)P(Bを開く|Aが当たり)

となります。求めるものはP(Aが当たり|Bを開く)ですね。それ以外のものを計算していきましょう。

P(Aが当たり)

なんの前提条件もないので、3つのドアからあたりを選ぶのは1/3ですね

P(Bを開く|Aが当たり)

Aが当たりという条件では、BとCがハズレなので、その二つの中からBを選ぶ確率は1/2ですね。

P(Bを開く)

これの計算がパッとみ難しいですが、ベイズの展開公式を使っていきましょう。ベイズの展開公式は次のように表されます。

P(Bを開く) = P(Bを開く|Aが当たり)P(Aが当たり)

                + P(Bを開く|Bが当たり)P(Bが当たり)

                + P(Bを開く|Cが当たり)P(Cが当たり)

これらを順番に計算しましょう。

P(Bを開く|Aが当たり)P(Aが当たり)

これは先ほど求めました。

           

P(Bを開く|Bが当たり)P(Bが当たり)

司会者は当たりのドアを開くことはないので0になります。

P(Bを開く|Cが当たり)P(Cが当たり)

Cが当たりなら必ずBが開かれるので、

             

したがって、


となります。よってベイズの定理から


というわけで、Bを開くというもとで、Aが当たりの確率は1/3となることが求まりました。

AとCの合計が1になることから、Cが当たりの確率は2/3となります。Cが当たりの確率もベイズの定理から計算することができますので、余力のある方はやってみると良いかと思います。

つまり、モンティ・ホール問題はドアを変更した方が、当たる確率が2倍になる、というのが結論になります。