[統計学]30. ベイズの定理とモンティ・ホール問題

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前回に記事→29.尤度関数の計算と最尤推定法(最強)

今回はベイズの定理を使わないと勘違いしてしまう問題として有名なモンティ・ホール問題を考えてみたいと思います。モンティ・ホール問題は専門家でさえ間違えたということで有名です。

それではまずはモンティ・ホール問題の内容を見ていきましょう。

「プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあって、1つのドアの後ろには当たりの景品が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。

プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。

ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?」(wikipediaより引用、一部改変)

という問題です。あなたが選んだドアをAとして、モンティが開いたドアをBとします。そしてCに変更した方が得かというように考えていきます。簡単な図にしました。

直感的には「AもCも当たりの確率は同じ3分の1じゃないの?」というふうに考えてしまいがちですが、そもそもこの時点でおかしいです。

確率の合計は1にならないとおかしいからです

あたりはAかCのどちらかなのですから、この二つの確率の和を取ると、1にならないといけません。当然ですね。

「じゃあAもCも当たりの確率は2分の1じゃないの?」

これも違います

実はこれAとCは全く同じ条件というわけではありません。ここが多くの専門家も間違えた落とし穴です。多くの専門家は想像力が足りなかったように思えます。初見でも直感的にわかる方法があります。

「ドアの数が100枚ならどうだろうか」と考えてみることです。

ドアが100枚であたりのドアは1つとしましょう。

あなたが1つのドアAを選びます。

司会者が残りの99枚のドアのうち、ハズレのドア98枚を開きます。

そして残ったドアをCとします。あなたはAからCに変更した方が得でしょうか?

得です。これは直感的にわかるかと思います。簡単な説明をすると、ドアAはあなたが選んだドアで、司会者は開けることがありません。なのでドアAが当たりである確率は変わりません。

それに対して、ドアCというのは司会者に開けられる可能性がありながら、それに耐え抜いたドアだからです。ドアが100枚あれば、ドアCの方が確率が高いということを実感していただけるでしょう。

ここまでは直感的な話ですが、この感覚は実社会で統計に騙されないために必要だと思います。次はベイズの定理を使って実際に計算していきたいと思います。ドアの枚数が3枚でも当たりの確率をちゃんと計算することができます。

さて、ドアAとドアCの当たりの確率はいくらなのかベイズの定理を使って計算していきたいと思います。

まず方針ですが、Aが当たりである確率を計算します。AとCの合計が1になるので、Aの確率がわかれば、Cが当たりの確率がわかります。

ベイズの定理から、

P(Bを開く)P(Aが当たり|Bを開く) = P(Aが当たり)P(Bを開く|Aが当たり)

となります。求めるものはP(Aが当たり|Bを開く)ですね。それ以外のものを計算していきましょう。

P(Aが当たり)

なんの前提条件もないので、3つのドアからあたりを選ぶのは1/3ですね

P(Bを開く|Aが当たり)

Aが当たりという条件では、BとCがハズレなので、その二つの中からBを選ぶ確率は1/2ですね。

P(Bを開く)

これの計算がパッとみ難しいですが、ベイズの展開公式を使っていきましょう。ベイズの展開公式は次のように表されます。

P(Bを開く) = P(Bを開く|Aが当たり)P(Aが当たり)

                + P(Bを開く|Bが当たり)P(Bが当たり)

                + P(Bを開く|Cが当たり)P(Cが当たり)

これらを順番に計算しましょう。

P(Bを開く|Aが当たり)P(Aが当たり)

これは先ほど求めました。

P(Bを開く|Bが当たり)P(Bが当たり)

司会者は当たりのドアを開くことはないので0になります。

P(Bを開く|Cが当たり)P(Cが当たり)

Cが当たりなら必ずBが開かれるので、

したがって、


となります。よってベイズの定理から


というわけで、Bを開くというもとで、Aが当たりの確率は1/3となることが求まりました。

AとCの合計が1になることから、Cが当たりの確率は2/3となります。Cが当たりの確率もベイズの定理から計算することができますので、余力のある方はやってみると良いかと思います。

つまり、モンティ・ホール問題はドアを変更した方が、当たる確率が2倍になる、というのが結論になります。

次の記事→31. 歪度、尖度、モーメントって?計算方法と意味を覚えよう

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